特集 白内障手術 Controversy '93
白内障をめぐる22のControversy
角膜移植術との同時手術—私はこうしている
下村 嘉一
1
1大阪大学医学部眼科
pp.166-168
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901937
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白内障を合併している角膜移植症例に対し,角膜移植と白内障の同時手術を行う。全層角膜移植を行うと軽度の白内障でも意外と早く進行するので,できれば同時手術を施行するほうがよい。その理由として,眼内操作が1回ですむことが挙げられ,角膜内皮細胞のロスを最小限にでき,かつ緑内障などの術後合併症も頻度が少なくなるというメリットがある。
水晶体摘出術には嚢外(ECCE)と嚢内(ICCE)があるが,同時手術の場合ECCEを選択する。なお,角膜移植と白内障の同時手術の際,水晶体乳化吸引術は施行しないほうがよい。その理由として角膜移植時,角膜窓を形成してオープンスカイとなり,超音波チップを用いると後嚢破損の危険性が高いからである。
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