連載 眼の組織・病理アトラス・76
ブルッフ膜の加齢変化
石橋 達朗
1
,
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.126-127
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901447
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ブルッフ膜Bruch's membraneは脈絡膜の構成成分のひとつで,もっとも網膜側に位置し,網膜色素上皮細胞と脈絡膜毛細血管内皮細胞の間に存在する細胞外組織である。厚さは約2μmで,透過型電子顕微鏡を用いると,網膜側から順に,網膜色素上皮細胞の基底板,内側膠原線維層,弾性線維層,外側膠原線維層,脈絡膜毛細血管内皮細胞の基底板の5層が区別できる(図1)。
ブルッフ膜を構成するコラーゲンとして,網膜色素上皮細胞および脈絡膜毛細血管内皮細胞の基底板には主にⅣ型およびⅤ型コラーゲン,内側および外側膠原線維層にはⅠ型およびⅢ型コラーゲンの存在が証明されている。また,弾性線維層にはⅥ型コラーゲンがみられる。糖蛋白質としては,フィブロネクチンがブルッフ膜の全層に,ラミニンが基底板に認められる。プロテオグリカンでは,ヘパラン硫酸が全層にわたって存在する。
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