特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
原田病
櫻木 章三
1
1秋田大学医学部眼科学教室
pp.109-111
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901360
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原田病は,日本人に多いぶどう膜炎の代表で,メラノサイトに対する細胞性免疫が主役をなす自己免疫疾患とする説が有力である。眼外症状である髄膜刺激症状,耳鳴・難聴,皮膚白斑,毛髪・睫毛の白変,脱毛を含め,回復期の夕焼け状眼底も上述の機序により説明される。
眼底の初期病変は,乳頭・黄斑部を含む後極部に発生する,限局性で境界の比較的鮮明な漿液性網膜剥離の多発で,これらは次第に融合して拡大する。原則として両眼性で,たとえ片眼性に発症しても数日中に両眼性となる。乳頭充血ないし乳頭浮腫を呈して初発する場合があることに注意を要する。前房細胞と硝子体内炎症性細胞も,多かれ少なかれ存在する。
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