特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
種々の結膜炎
宮永 嘉隆
1
1東京女子医科大学付属第二病院眼科
pp.85-89
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901353
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
結膜の炎症すべてを結膜炎と総称すると,ごく一過性のものまで結膜炎となってしまう。一晩寝たら治っていたなど疾患として取り扱う必要はなかろう。目が赤いなどの主訴の場合は充分に問診する必要がある。結膜炎は感染性と非感染性のものに大別される。結膜炎患者に対した場合,感染性のものであるか否かを鑑別することが最初のチェックポイントである。感染性のものが疑われる時は年齢,外眼部所見,眼脂の状態,潜伏期,患者周囲の環境など充分にチェックし,細菌性かクラミジアか,ウイルス性かなどを鑑別する。診断がついたら第一選択薬を何にするか,その状況に応じて臨機応変に対処すること。常にきまった点眼処方などは治療を遅らせることにつながる。一方,非感染性のものでは近年,環境汚染や生活環境の変化に基づく問題がクローズアップされて来ている。
アレルギー疾患,ドライアイなどを含めて今後,最も注目され,考えていかなくてはならない問題であり,こういった結膜炎,角膜炎にどのように対処するかは眼局所の問題ばかりでなくトータルに考えていかなくてはならない問題である。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.