特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
治療のテクニック—私のノウハウとコツ
白内障手術
菅 謙治
1
1北野病院眼科
pp.1681
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900409
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先天白内障手術に対する考察
完全白内障の場合,生後2か月までに手術を行わないと0.05以下の弱視になると報告されている。一方,外傷性白内障に対する手術成績から検討すると,術後の視力矯正が不十分な場合,5歳以下では0.1以下の弱視になる危険性が大きいと報告されている。
小児に術後にコンタクトレンズを装着させることは並大抵のことではない。大抵の場合,不成功に終わるであろう。眼内レンズの使用も現在の所,不可能である。IOLの大きさ,眼球が成長した時にIOLの取り替えが可能か,などが問題となるからである。両眼の手術後にはメガネの使用が考えられるが,近視,遠視ともに十分な眼鏡はなく,メガネの場合にも高度な弱視になる危険性が大きい。
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