追悼
清水弘一先生を偲んで
坂本 泰二
1
1鹿児島大学
pp.434-435
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214344
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臨床眼科誌の編集委員ならびに編集顧問を長く務められていた群馬大学名誉教授 清水弘一先生が2021年12月ご逝去されました。清水先生は,単に編集に携わられただけでなく,「べらどんな」などのコラムを多数ご執筆になり,本誌に優雅な香りを与えて下さいました。世界的なご業績を仰ぎみていただけでなく,臨床眼科誌を通じてご指導をいただいた清水先生が亡くなられたことに,深い悲しみを覚えております。
私が眼科に入局した昭和60年当時,清水先生は既に世界的に有名な眼科医にして研究者でした。学会で最初にお姿を拝見したときに,その堂々とした態度に「あれが“元帥”と呼ばれる有名な先生か」と得心をしたのを覚えております。戦後日本が十分には復興していない時代からオリジナルな研究を考案されただけではなく,海外の学会で次々に発表されて,日本の眼科学の力を世界に示されたことは偉大と表現することしかできません。医学書院から英文教科書「Fluorescein angiography」を出版されたのが34歳のときだそうですから,その早熟の才能には驚くしかありません。私がドヘニー眼研究所に留学していたときに,世界的な眼研究者であった恩師の故ライアン先生から「シミズは元気か?」と聞かれたことからも,先生のご高名さがうかがい知れます。先生の素晴らしい学問的業績については広く知られていますので,ここでは清水先生と私についての思い出を書かせていただきます。
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