増刊号 この症例このまま診ていて大丈夫? 病診連携にもとづく疾患別眼科診療ガイド
5 緑内障
白内障合併の緑内障
庄司 信行
1
1北里大学医学部眼科学教室
pp.174-179
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214167
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クリニック・病院で診るときのポイント
クリニック(緑内障手術を行っていない施設)で診るとき
・病型の確定もしくは推測.落屑や虹彩炎の確認.
・視力障害は白内障のため? それとも進行した緑内障のため?
① 乳頭周囲の網膜神経線維層と後極の神経節細胞層の評価.黄斑疾患の除外.
② 視野検査は中心30°だけでなく,時に10°内の評価と中心窩閾値測定を行う.
・可能な限り,複数回の眼圧測定と信頼できる視野検査の結果をもとに治療を開始する.
病院(緑内障手術も可能な施設)で診るとき
・病型の確定.
① ベースライン(無治療時)情報の確認.経過中の眼圧変動や前房内炎症の有無を確認.
② 隅角の確認.
・介入した治療の評価.
① 現在の眼圧で緑内障の進行が止まっているかどうかの確認.
② 点眼の追加・変更による眼圧下降の有無と視野進行速度の変化の確認.
・観血的治療が必要かどうか? 白内障単独でよいのか,緑内障手術の併用が必要なのかを判断するための視野進行の評価.
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