Book Review
プロメテウス解剖学 コア アトラス 第3版
徳田 信子
1
1獨協医大・解剖学マクロ
pp.786
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213176
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美しい。まず心を惹かれるのは,圧倒的な美しさである。もしかしたら,美しすぎるかもしれない。少なくとも,実際のヒトの身体に本書のように鮮やかな彩りはない。昔の教科書のごとくモノクロの濃淡で示すほうが,ヒトの姿に近いのかもしれない。それでも,今,この美しさは必要だと思う。
アトラスを手に取る読者のほとんどは,医療者の卵である。ヒトの身体を知るための長い道のりを歩み,その向こうにある診断や治療の学びをめざす。かつて自分が解剖学を学んだ頃は,文字情報と少しの図を頼りに,友人たちと相談しながら実習に取り組んでいた。今も,それを理想の学び方だとする意見もある。しかし,進む方向がわからず,解剖学の入り口で力が尽きてしまう学生も多く見てきた。本書は,ページをめくるたびに,さまざまな方向・深度から見た美しい構造物が現れる。もし,何もわからずに出発しても,ページの進みに合わせ,知らず知らずのうちに身体を巡る歩みへ誘われる。
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