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特集 眼窩疾患の最近の動向
甲状腺眼症の病態と診療のコツ
Management of thyroid eye disease
石川 恵里
1
,
高橋 靖弘
1
,
柿﨑 裕彦
1
Eri Ishikawa
1
1愛知医科大学病院眼形成・眼窩・涙道外科
pp.182-194
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212585
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はじめに
甲状腺眼症は,甲状腺自己抗体に関連した自己免疫性炎症性疾患で,眼窩部が標的となる病態である。甲状腺機能異常が発症の発端となるが,発症後は通常,甲状腺機能とは無関係に変動する1)。甲状腺眼症はその発症初期において,必ずしも特徴的な顔貌の変化や眼球運動障害を認めないため,「甲状腺眼症」の診断に至らず,単にドライアイや眼精疲労などとして経過観察され,治療が後手に回ることも少なくない1)。
甲状腺眼症の適切な治療介入のためには,その病態と臨床像について理解を深めておく必要がある。本稿では,甲状腺眼症の病態,甲状腺疾患との関係,診断・活動性の評価,および重症度に応じた治療について,最近の知見を加えて解説する。
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