増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる
Ⅰ 眼科検査の理論と実技
IOL検査
須藤 史子
1
,
島村 恵美子
2
1東京女子医科大学東医療センター眼科
2埼玉県済生会栗橋病院眼科
pp.59-68
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212462
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理論編
IOL度数計算の目的と現況
水晶体再建術は,挿入する眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の度数で術後屈折値を新たに設定することができる。患者が希望しない術後屈折値は患者にとって満足を得られず,術後合併症となる。
術後屈折誤差の要因は,超音波Aモード法の時代は過半数が眼軸長測定ミスといわれていたが,光干渉眼軸長測定装置の普及により術前生体計測の精度は大きく向上し,今は術後IOLの位置予測の問題が大きいとされる。IOLの位置は術後前房深度(effective lens position:ELP)として仮定されるが,これは度数計算式により左右され,ELPを適合させるための変数がIOL定数である。したがって,IOL度数計算で最も基本かつ重要なことは以下の3つに集約される。それは,①眼軸長と角膜屈折力の生体計測の精度を上げる,②適切な計算式を選択する,③最適なIOL定数を使用する,の3点である1)。
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