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連載 目指せ!眼の形成外科エキスパート・第28回
涙囊鼻腔吻合術鼻外法は俺に任せろ!—兄貴が語る鼻外法DCR指南
External dacryocystorhinostomy
三戸 秀哲
1
Hidenori Mito
1
1井出眼科病院
pp.1904-1909
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212107
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はじめに
鼻涙管閉塞による流涙症に困っている人は,昔からたくさんいたようです。涙囊鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)が治療にきわめて有効ですが,100年以上前にはすでに現在に近い形のDCRがなされていました。このことは,流涙症に対して多くの人が悩み,治療に積極的であったことの証左といえるでしょう。
しかし,DCRは多くの眼科医にとって,現在でもなじみの薄い手術であり,敬遠されがちの感は否めません。私もかつて,一般眼科外来で初診患者のなかに鼻涙管閉塞例をたくさん見たために,DCRの必要性を強く感じていましたが,白内障や硝子体手術ばかりをやっていた頃に独学でDCRをやろうとしても全くできる気がしませんでした。
そんな時にDCR鼻外法を3例助手についたら執刀可能になる,という驚異のシンプルさで指導されていた,門田正義先生に出会いました。実際に手術の見学に行くと確かに理解しやすく,眼科手術に興味をもつ者ならば誰でもできる身近な手技だと思いました。
本稿ではDCR鼻外法について,門田先生のノウハウに解剖学的な進歩などを踏まえて,少し改良して解説します。私が初めて行った眼形成外科手術がDCRですが,患者さんの喜びが大きく,以来ずっと眼形成外科にはまってしまいました。しかし,まだまだDCRを行う眼科医は不足しています。ぜひ,みなさんにもやっていただきたいと思います。
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