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連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第10回
黄斑部毛細血管拡張症
Idiopathic Macular Telangiectasia
古泉 英貴
1
Hideki Koizumi
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.1536-1540
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211971
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疾患の概要
黄斑部毛細血管拡張症は特発性に黄斑部網膜の毛細血管拡張所見を呈する疾患群の総称である。病型分類としては2006年にYannuzziら1)がidiopathic macular telangiectasia(IMT)の名のもとに提唱したもの,具体的にはType 1 IMT(血管瘤型),Type 2 IMT(傍中心窩型),Type 3 IMT(閉塞型)が主に用いられている。しかしType 3 IMTは毛細血管拡張よりも血管閉塞が主体であること,頻度が非常に稀であり,また通常何らかの全身疾患を伴うことから,分類自体から除外することが提案されている。したがって,本稿でもType 1 IMT,Type 2 IMTについてのみ取り上げる。
Type 1 IMTは男性に多く,ほとんどが片眼性である。検眼鏡的に中心窩周囲の毛細血管瘤が確認できることも多く,典型的にはその周囲に輪状の硬性白斑を認める。フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)では中心窩周囲の毛細血管拡張と毛細血管瘤からの旺盛な蛍光漏出がみられ,確定診断に有用である。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)ではFAでの漏出所見を反映した囊胞様変化と網膜の肥厚所見を認める。治療はFAでみられる毛細血管瘤に対する直接光凝固が基本となり,黄斑浮腫の改善が期待できる。
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