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特集2 近年のコンタクトレンズ事情
学校保健とコンタクトレンズ
The status of contact lens in Japanese school health
宇津見 義一
1
Yoshikazu Utsumi
1
1宇津見眼科医院
pp.190-197
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211222
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はじめに
日本眼科医会(以下,日眼医)の2012年の全国の学校でのコンタクトレンズ(以下,CL)使用調査では,使用目的で最も多いのは,「スポーツをするから」「メガネが嫌だから」である1)。CLは生命や健康に重大な影響を与えるおそれがある機器である高度管理医療機器であり,CL使用者の7〜10%に眼障害を生じている2)。
安易なCL使用によって眼障害を生じないように,学校では眼科学校医はCLの健康教育,学校保健員会などにより子どもたちに周知すべきである。さらに,養護教諭などの学校関係者,教育委員会なども同様である。横浜市では学校や学校関係者,教育委員会,医師会などCLの啓発活動を積極的に実施してきた3)。2000年頃では中学生に定期健康診断でCLはトラブルを生じやすいことと問うとほとんどが返答できなかったが,現在は同様の質問をすると多くが知っている。学校,地区などでの啓発活動そしてマスコミ報道などにより,正しいCLの知識が周知されつつある。しかし,行政の不適切な対応によりCLが医師の処方なしで購入できることなどで,学校でのカラーCL使用者の増加とそれによる眼障害の増加など新たな問題が生じている。
本稿では,全国の学校でのCL使用実態とCL処方,学校保健における眼科学校医の対応や啓発活動について述べる。
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