連載 眼の組織・病理アトラス・34
ダーレン・フックス結節
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.1226-1227
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210913
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交感性眼炎では,網膜色素上皮細胞層に散在性の小隆起が認められる。これをダーレン・フックスDalén-Fuchs結節と呼ぶ。交感性眼炎の病理組織学的特徴の一つとされている。フォークト・小柳・原田病でも同様の所見が認められる。夕焼け状眼底の赤道部から周辺部に散在性に見られる小円形の脱色素斑の中にダーレン・フックス結節が含まれている。
ダーレン・フックス結節は網膜色素上皮細胞層の細胞下にリンパ球や類上皮細胞が浸潤して網膜色素上皮細胞層が押し上げられ,2次的に色素上皮細胞が変性または増殖したものである。変性した色素上皮細胞は色素顆粒が少ないために検眼鏡的には脱色素斑として認められる。陳旧化すると脱色素斑の周囲に色素上皮細胞が増殖して色素沈着が出現することがある。
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