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Aniridia-Wilms腫瘍症候群は稀な疾患である上,悪性腫瘍を合併するため長期観察が困難で,本邦では年長者の報告が見られない.我々は生後3カ月から15歳の今日まで,経過を観察し得た貴重な症例を経験したので,若干の考察を加え報告する.
症例 は1971年12月生まれの男児で,生後3ヵ月,角膜混濁と羞明を主訴として当院眼科を訪れ,先天無虹彩と角膜混濁を指摘された.全麻下検査では角膜11.5mmとやや拡大していたが,眼圧,17mmHgで乳頭陥凹もないため経過を観察していた.5カ月より角膜混濁減少し,追視が始まったが,知能障害のため視力測定は7歳までできなかった.黄斑部低形成,眼振,小さな後極白内障が見られ,その後視力は0.1-0.2である.8歳頃より眼圧上昇が認められたが,1%ピロカルピン点眼で正常化し,乳頭陥凹も認められない.全身的には尿道下裂,停留こう丸が指摘されていたが,1歳5カ月のとき腹部腫瘤が出現し,右腎,つづいて左腎に腫瘍が認められ右腎,左腎3/4が切除されている.再発はないが,本年に入って腎不全となり腎透析が行われている.
A 3-month-old male infant presented with bilat-eral turbid cornea, aniridia, macular hypoplasia, hypospadia and cryptoorchism.
Bilateral renal tumor developed at the age of 17 months. Later on, the patient manifested bilateral posterior cortical cataract, glaucoma and nystag-mus. The patient was diagnosed as aniridia-Wilms' tumor syndrome and was follow up by us till 15 years of age. Chromosome analysis revealed 46XY, del (11) (p12-p14).
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