連載 眼の組織・病理アトラス・16
虹彩の構造
岩崎 雅行
1
,
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.176-177
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210281
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虹彩irisは,毛様体の前端から水晶体の前面に伸びる直径12mmの膜状の組織で,眼房を前房と後房とに分ける.ぶどう膜の最も前方を占め,血管と色素に富む.瞳孔pupilは虹彩のほぼ中央部にある円形の開口部で,カメラの絞り孔に相当する.虹彩は,房水産生や房水流出にも一部関与しているといわれる.
虹彩の表面には,虹彩紋理と呼ばれる隆起や溝,小窩などが多数存在する.瞳孔縁から1.5〜3mmの虹彩前面に捲縮輪という不規則な輪状隆起があり,それより瞳孔側を小虹彩輪,毛様体側を大虹彩輪と呼ぶ.小虹彩輪には放射状の,大虹彩輪には輪状の紋理が多い(図1).虹彩裏面は比較的なめらかだが,周辺部には規則的で細かい輪状溝が見られる.
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