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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
円形脱毛症,十二指腸潰瘍あるいは自律神経失調症を伴った中心性漿液性脈絡網膜症
Central serous chorioretinopathy with alopecia areata, duodenal ulcer or dysautonomia
吉岡 久春
1
,
阿部 文英
1
,
疋田 直文
1
,
松野 亨規
1
Hisaharu Yoshioka
1
,
Fumihide Abe
1
,
Naofumi Hikita
1
,
Toshiki Matsuno
1
1久留米大学医学部眼科教室
pp.540-541
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209170
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緒言中心性漿液性脈絡網膜症の原因は未だ不明である。我々はストレッサーとしてアドレナリンを用い,その反覆静注により,猿に人の本症と同じ病変を作ることができたことから本症の原因にストレスが関与していることを明らかにした1)。今回は,さらに本症がストレスと関係がある一根拠として,本症例に従来ストレスによることもあると考えられている円形脱毛症,十二指腸潰瘍あるいは自律神経失調症を合併した症例を経験したので報告する。
症例1:46歳女性。初診1973年9月17日。主訴:右眼視力障害。現病歴:2カ月前より右眼中心暗点を自覚して近医を受診して中心性漿液性脈絡網膜症の診断を受ける。視力右0.3(n.c.)左1.2(1.5×+0.5D)。1973年10月光凝固施行にて自覚症状改善。右眼視力0.9(n.c.)となる。その後再発をくり返し,螢光眼底写真にて以前とは異なった部位よりの螢光漏出(図1噴出型スポット)を認む。発病初期より円形脱毛症が発症し,その同時期に視力低下に気付く。円形脱毛症が軽快するに従い視力も改善した。再発時再び円形脱毛症を来たした(図2)。
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