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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
学術展示
網膜剥離における網膜下索状物
Subretinal strand in rhegmatogenous retinal detachment
恵美 和幸
1
,
坪井 俊児
1
Kazuyuki Emi
1
,
Shunji Tsuboi
1
1大阪大学医学部眼科学教室
pp.424-425
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209144
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緒言網膜剥離において網膜下索状物は硝子体および網膜前の増殖性変化と同様,剥離網膜の復位を妨げる重要な牽引要素である。網膜下に形成された索状物が剥離網膜の骨格を形成し,収縮して復位を妨げる例に対しては硝子体手術を含め適切な処置を要する1)。この様な網膜下索状物は遷延化した網膜剥離例においてしばしば認められるが,一般にはdemarcation lineとして看過され,注目されることも少なく,その成因,特微についての総括的な報告はみあたらない。しかし網膜下の増殖性変化を伴う網膜剥離は術後の視力不良例や網膜下液吸収遅延例など臨床予後の悪いものが多く,硝子体および網膜前の牽引性増殖性変化と同様に注意を要するものと考えられる。そこで今回,我々は特発性の網膜剥離例において網膜下索状物を伴う例の特微につき検討をくわえた。
方法1982年1月より12月までの1年間に阪大眼科に入院し,手術を施行した網膜剥離症例の中で特発性網膜剥離129例135眼を対象とし,検眼鏡およびスリットランプを用いて網膜索状物を検索した(図1)。糖尿病性網膜症,葡萄膜炎,眼内腫瘍などによる続発性網膜剥離は対象から除外した。
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