第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
網膜剥離
pp.1899-1906
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204651
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大河内雄幸・上田準一
早川敬子(名大)
1.最近4年間に於ける当科の網膜剥離例について
1966年より1969年までの4年間に当科を受診した剥離患者例について報告を行なつた。
症例総数121眼,男子78眼,女子43眼であり,年齢分布をみると,10〜20代,50代において多く,2峰性が見られた。左右差は,右67眼,左54眼であり,この内両眼性のものが17例(14.0%)あつた。発症から来診までの期間は,1週間以内が最も多かつた。剥離範囲別分類では,1〜2象限のものが一番多く,次いで1象限内,2〜3象限,3〜4象限のものであつた。屈折については,近視眼に発症が多く,−6D以上の近視に41眼(33.8%)の発症をみている。裂孔の有無と復位関係については,有裂孔例は96眼(79.3%)あり,復位率は91.6%であり,裂孔不明例では40.0%であつた。全体としては80.9%の復位率を示した。裂孔の位置は耳上側>耳下側>鼻下側=鼻上側であつた。剥離範囲とその結果については,1象限内の剥離の復位は非常によく100%の復位率をみている。範囲が広がるにしたがって,復位率は低下している。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.