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特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学術展示
片眼性網膜血管異常を呈した未熟児の1例
A case of a premature infant suspected steroid induced retinopathy
佐貫 眞木子
1
,
小沢 勝子
1
Makiko Sanuki
1
,
Katsuko Ozawa
1
1名古屋市立東市民病院眼科
1Department of Ophthalmology, Nagoya City Higashi General Hospital
pp.230-231
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208829
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緒言未熟児網膜症としては特異な所見を片眼に呈した未熟児の1例を経験した。未熟児網膜症以外の因子が加わっていると推定し類似疾患や全身異常につき考察した。本例は早期にステロイド投与をうけており,実験的に立証されたステロイド誘発網膜症1)と網膜血管像が類似している点に注目すべきである。
症例在胎34週6日膜生下時体重1,560gのSFDの男児である。持続性低血糖のため生後4日から7日まで計7mgのプレドニゾロンを投与された。生後10日には低血糖は改善した(図1)。他に全身異常は認めなかった。生後14日に眼底検査目的にて当院小児科より眼科を紹介された。右眼底は後極部は正常,耳側周辺に無血管領域と血管分岐過多を認めた(図2)。左眼底は耳側から上方に広範な浮腫状無血管領域が黄斑部近くまであり,後極部血管は著明な怒張蛇行を呈した。また血管吻合が末端部のみならず後極側にも認められ,網膜硝子体出血もみられた(図3)。右眼は生後22日に境界線が形成されたが生後2カ月には自然に消腿した。左眼は出血が吸収され,血管の怒張蛇行が軽減し血管走行が直線化する一方,血管終末部の異常分岐はさらに増加し,生後25日には境界線形成をみた。生後28日に境界線上に硝子体への発芽がみられた。
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