GROUP DISCUSSION
第17回網膜剥離研究会
市橋 賢治
1
1県立西宮病院
pp.1477-1481
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207997
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1.遺伝性網膜硝子体変性
家系内に6名もの網膜剥離を頻発した一家系を経験し家系内の13名を検索した結果,網膜剥離を併発した6名を含む11名が特徴的臨床像を示した。すなわち後極部の網脈絡膜萎縮,硝子体膜,硝子体液化に車軸様の点状白内障であり,家系調査,臨床像から本象系の疾患が常染色体優性遺伝の網膜硝子体変性でありWagnerの網膜硝子体変性に属するものであると結論づけられた。
さらに従来より本症での視力低下は白内障および網膜剥離の併発によるものとされているが,本家系では11名全員網脈絡膜萎縮が強く特に強度の網脈絡膜萎縮を有する3名には白内障および網膜剥離がないにもかかわらず0.1から0.6の視力低下があり,視力低下の原因として網脈絡膜萎縮が注目された。
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