手術ノート
網膜剥離(予防手術)
市橋 賢治
1
1県立西宮病院
pp.1362-1363
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208429
- 有料閲覧
- 文献概要
1.まず適応を考える
現在予防手術は技術的にはほぼ完成された手術といえるが,個々の症例に対応した適応についてはなお迷うことが少なくない。
網膜剥離を予防するためには(1)現存の網膜孔を閉鎖する,(2)網膜孔の発生を予防するの2点である。しかし臨床的にはすべての網膜の孔や変性巣が剥離をひき起こすわけではなく,また予防手術自身による併発症も低率ではあるが発生する事実を考慮にいれる必要がある。できれば危険性の高い病変だけを予防手術の対象とし,その他の孔,変性巣等は放置(経過観察)するようにしたい。しかしこの危険性の評価にかなりの幅があるため適応の基準も各術者の主観に大幅に依存しているのが現状といえる。参考までに私が適応のメドにしている基準は表1の通りである。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.