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連載 眼科図譜・77
原田氏病に見られた特異な経過を示す流動性眼底色素斑について
Observation of fundus pigment spots with a peculiar course seen in Harada's disease.
山本 冴子
1
,
佐々木 徹郎
1
,
西山 義一
1
1東北大学眼科教室
pp.1019-1020
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207314
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〔解説〕
原田氏病の経過したあとに夕焼様の赤褐色眼底と共に,大小の黒色々斑の出現することは周知の事実である。この色素斑は脈絡膜炎の炎症消褪と共に著明になり,一旦発現すれば相当期間に亘つて不変である。
然るに炎症の途中の一時期に於て(網膜剥離の消退する前の痔期),極めて流動性の黒色色素塊が乳頭附近に出現することがある。これは極めて一過性で,その出現,消失の時を明確に把握することが困難なほど瞬時に消長することがあり,しかも急速に網膜下を移動し,消失したあとには殆ど痕跡を残きない。かかる色素塊はその一過性,流動性から見て,破壊された色素が網膜下液と共に一ケ所に潴溜し,体位の変動その他の条件によつて速かに他に移動し,網膜下液と共に比較的急速に吸収されるためと考えられる。
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