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綜説 第64回日本眼科学会宿題報告概要
葡萄膜炎の病因と病理—主として病因について
Etiology of uveitis
浦山 晃
1
Akira Urayama
1
1東北大眼科
1Dept. of Oph., School of Medicine, Tohoku University
pp.1015-1021
発行日 1960年6月15日
Published Date 1960/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206976
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はじめに
此処に38歳男子の慢性葡萄膜炎患者がある。4年前一度入院した事があり,両眼性再発性である。既往歴には腎炎と肺結核とがあり,性病をも否定しない。内科では,左肺上野に非活動性の病巣を認め,歯科では歯槽膿漏がある。血液ワッセルマン反応,ツベルクリン反応共に陽性。皮膚には痤瘡様のものを出すことがあり,口唇にアフタを生じた事もあつたと云う。さてこの症例の原因はどの様に判断したら良いであろうか。
60年前,Michelならば,これを腎炎に帰したであろうし,又,多くの人は,50年前なら梅毒,30年前なら結核,そして20年前ならおそらく病巣感染を疑つたであろうと思われる。更に,若し4年前,Sabin-Feldman-Testが,仮に陽性に出たとするならば,トキソプラスモージスを考えたかも知れないし,最近なら,或はBehget病を否定できないのではないか,との意見も出かねないのである,ということで,ここに微妙なる問題が一つ胚胎している。
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