Japanese
English
臨床実験
眼窩周囲癌腫のCo60針治療
Co60 needle therapy to periorbital cancer
呉 耀南
1
Yonan Go
1
1長崎大学医学部眼科教室
1Dept. of Ophth. Nagasaki Univ.
pp.1005-1008
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206098
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今日Radioisotopeの出現は医学上一新紀元を画するものとして,種々の追跡実験や治療分野に目ざましい発展を遂げつゝあるが,就中Co60はRaの代用物質として現在最も其の名が知られている。Coは天然にはCo59が存在する丈で,この他に人工的に作られる放射性のCoとしてCo55Co56,Co57,Co58及び2種のCo60がある。此の2種類のCo60は核異性体(Isomer)になつており,どちらも天然のCo59を原子炉内で中性子によつて衝撃させるか(27Co59n.r/Nuclear Reactor→27Co60),或は27Co59d.p/Cyclotron→27Co60によつて半減期が夫々10.7分と5.3年の2種のCo60が得られるが,実際の治療に役立つのは半減期が5.3年のCo60丈である。Co60から0.31Mevの非常に弱いβ線とエネルギーの強い1.17Mevと1.33Mevの2本のγ線を放出するが,β線は簡単に除去されるので臨床的にはγ線が放射源と見做されている。Co60に就いては従来のRaに比較して色々な長所で高く評価されているが,其の主なる点を挙げれば1)γ線の波長が短かく,透過性が大であり,然かもhomogenである,2)使用の目的に応じて色々の形にすることが出来る,3)磁性を有する為に取扱い易い,4)値段が非常に安い事等である。
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