銀海余滴
40年11月仙台の眼科学会の評議委員会の事ども—(1)視力の検定方法 (2)専門医制度
中泉 行正
pp.432
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203386
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(1)視力研究班から提案され大島祐之助教授から説明され,大塚任教授が反対されてひと先づ保留と云う事になりなお充分研究熟慮を重ねる事となつた。試視力表についても研究結果の説明があつたけれども最大の論点は照明の点であつた。視力研究班の照明は600ルックスであつた。そこで大塚教授は従来の300ルックスを改める必要はないとその利点を説明された。従来300ルックスというのは眼科学会の研究結果ではなく須田卓爾博士が提案された眼科医会の提案で学会がそれにならつたという昔の話である。これは眼科の基本的「ものさし」であるから是非共一定にしなければならない。試視力表については国際眼科学会の取り決めがあるから世界中統一されているわけである。ところがその照明については一定の規定がない。それで今回の提案となつたので今のところ大体電燈球を用いるのが大勢である。しかもヨーロッパには螢光燈は殆んど使用されていないアメリカの専用のもので種々欠点があげられている。まだ従来の説だと300ルックスが主力で眼科臨床医も大体この線にそわねばならない。早くこれも一定して自動車運転者の免許などにも疑義のない様にしたいものだ。中泉式試視力表照明装置は従来の旧型が大体300ルックスで電圧計のついている新型は大体600ルックスである。両者共に電球燈を使用している。
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