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特集 眼科検査法(1)
特集
視野検査
2.精密視野測定法について
Developements of quantitative perimetry
水川 孝
1
,
大鳥 利文
1
Takashi Mizukawa
1
,
Toshifumi Otoria
1
1大阪大学
1Department of Ophthalmology, Osaka University Medical School
pp.1104-1107
発行日 1963年10月15日
Published Date 1963/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202804
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精密視野測定とは
精密視野測定という用語は果して学術的な用語なのであろうか,それとも精密という形容詞には特別な意味がなく使つているのであろうか。欧米の視野専門書にもこの用語に相当する単語は見当らない。そこで,私らは精密という用語の意味を,現在のゆがめられた保険診療の立場などは問題にせずにここであらためて考えてみたいと思う。
現在私らは精密視野測定という用語に次のような一つの内容をもたせることができるのではないかと考えている。すなわち,視野測定の目的は,網膜より視中枢までの視路の視機能を測定しようとするところにあるので,この視野測定が「みえる範囲の外界」としての古典的な二次元的平面的な視野の概念をみたすだけの周辺視野測定や,この視野内で視機能を全く起こしえない部分(暗点)の有無だけを二次元的にcheckするような測定法は精密視野測定法ではないと思う。現在私らはこの視野に対して三次元的,立体的考えを付与し,単に平面的な広がりとしてだけでなく視野内各点の機能をできるだけ定量的に測定しようとするいわゆる量的視野測定こそ精密視野測定を代表するものではないかと考える。
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