印象記 第66回日本眼科学会印象記(その2)
4.招待講演を中心として
三井 幸彦
1
1徳島大学
pp.996-998
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202578
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第66回日本眼科学会総会は,待望久しい北海道で開催された。東京,大阪から相次いで到着する目航機,全日空機は学会出席の客を続々と送り込んだ。イルカと競いながら,青函連絡船は日眼会員を次から次えと運んだ。まだ学会がはじまらい中に,会員達はヨーロッパ風の北海道の風物に魅せられてしまつたにちがいない。
ニューヨークへ着いた旅行者は,その日から,自分の行く先の番地を聞けば,地下鉄とバスを使つて思つた所ヘピタリと行きつくことが出来ることを経験する。それは丁度基盤の上で例えば12の5と云えばその場所がピタリときまつてしまうのと同じである。札幌に着いた旅行者もこれと同じことを経験する。相手の宿舎の番地を聞けば,どういう風に歩いて,何分すればそこにつけるか地図を見なくともすぐわかるのである。学会がはじまる頃には,会員達はこの「外国のような空気」にずい分とけ込んでいた様に見える。
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