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副腎皮質ホルモンの一種であるコーチゾンは,A.C.Woods等によつて始めて眼疾患の治療に用いられた後,数年を出ずして,わが眼科領域では日常臨床に不可欠の藥剤となつている。その理由としてはこのものの抗炎症作用が非常にすぐれていることは勿論,眼局所に用いて全身投与(内服,筋注)時に見られる副作用を避けうること及び局所的使用により極めて経済的であることが挙げられる。コーチゾンのリウマチ性疾患に対する卓効が発見された当時(1949年),今世紀前半における治療医学上の4大発見の1つとして,インシユリン,ズルフオンアミド,ペニシリンの発見と並び称せられたが,その後に示された本剤の臨床的応用効果の発展は,ますますその感を深からしめるものがある。
このようにコーチゾンは誠に治療医学に一転機を画する藥剤であるが,なおその作用は完壁とはいえない。そこで少しでもより強力なホルモンへの探究が進められ,すでに幾種かの新らしい強力なステロイドが発見,創造され,そのうちあるもの(たとえばプレドニゾン,プレドニゾロン)はアメリカで実用化されようとしている1)。しかしこれに先がけて,すでにコーチゾンと共に知られており,その糖質コルチコイドとしての作用において勝るといわれるハイドロコーチゾンの普及も漸次見るべきものがあつて,わが国でも三井・山下2),筒井3),鴻4),倉知5),井後・松田6)等諸氏の報告がある。
Hydrocortison (Cortril) was used mainly inexternal eye disease as drop, ointment and subconjunctival injection and its effect were compared with of Cortison. No esential de-fferrence was found between both, however, Hydrocortison was more effective and its trea-tment term was shorter and had shown tremendous effect in the serious case which was not affected beneficially by Cortison.
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