私の経験
濾過性瘢痘ある眼球の硬性白内障手術
瀨戸 糾
1
1三楽病院眼科
pp.514-517
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202177
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角膜の上頂部に管錐を以て,濾過性瘢痕を作れる眼球に於て,眼圧が健常或はそれ以下を保つのは,前房水が管錐孔を通して球結膜下に流れ,次でその部の球結膜を浸潤して結膜嚢内に洗るゝ為めとされて居る。従つて,斯かる管錐部を,その儘の状態を保存させながら白内障を手術する事が,将来眼圧を亢進せしめざる幕に大切である。管錐部をその儘として手を加えずに白内障を手術するには,下角膜縁部に弁状切開を加うるのが合理的で誰れしも考うる処である。
私は嘗て上部に切開弁を加え成功せる一例を実眼に報じた事があつたが,下部に切開弁を加えた数例の経験から,次の点に気付いた。
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