Japanese
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臨床実験
眼球加圧(須田)曲線に就て
Study on a bulbar pressure Test
平岡 寅次郞
1
1日本医大学科
pp.672-683
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201899
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原発性緑内障に関しては古来数多くの研究があり,近来我が邦を始め欧米眼科学会の研究の主題をなすものの如く続々と成果が発表されて居るが今尚その本態は不明であり,その学説のいずれを採つても緑内障全般の説明をつげることはむずかしい現状である。しかして緑内障に就ての早期診断法は従来より種々試みられている。
即ち,暗室試験,コーヒー試験.散瞳試験,飲水試験,眼圧日差試験,所謂不安定試験,マ氏盲点検査,真空コツプ試験等である。先きにT.L.ThomassenはバイヤールのOphthalmodina-mometer.にて角膜耳側へ25g 2分間の圧迫試験を行い,その結果より本検査の極めて有意義なることを述べて居るが,これに対し本邦では1948年熊大須田教授が圧迫試験を発表し,続いて同教室鎌尾日隈氏が種々なる負荷試験の実験の結果,50g圧迫試験が最も好結果を得,緑内障眼にては100%,正常眼にては僅に8%の陽生率ありと発表されたのである。振り返つて緑内障を房水の循環障碍なる見地より見れば,ここに当然,次の3型がその原因と考えられる。即ち戻水過剩型,排泄障碍型,両者の混合型がそれである。以上のことは著者をして圧迫試験の曲線の経過に何らかの影響を現わし,時とすれば特異なる曲線を描くならんとの考えをもたらした。ここで種々なる緑内障眼,又之が対象として正常眼より得たる曲線に就き観察を行いたるところ,三型の分類にみるべき成果を得たのである。
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