Japanese
English
特集 人工呼吸管理のPit fall
加圧による合併症とその対策
Complications of high airway pressure during mechanical ventilation and their treatments
勝屋 弘忠
1
,
八田 泰彦
1
Hirotada KATSUYA
1
,
Yasuhiko HATTA
1
1熊本大学医学部付属病院集中治療部
pp.321-327
発行日 1982年3月20日
Published Date 1982/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207906
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はじめに
現在,臨床的に用いられている機械的人工呼吸法は,そのほとんどが気道内加圧によつて吸気ガスを肺へ送りこむ形式のものである.したがつて,胸腔内に陰圧をつくることで吸気を起こす自然呼吸と比べると,生理学的に著明な変化が起こるのは当然である.機械的人工呼吸が普及するにつれて陽圧呼吸による循環系の抑制あるいは,気胸,皮下気腫,気縦隔などのいわゆる圧外傷(baro—trauma)と呼ばれる合併症も多く報告されるようになつたのは当然であろう.とくに1967年Ash—baughら1)が,ARDSに対してPEEPを付加した機械的人工呼吸(CPPV)が有効なことを報告して以来,PEEPは重篤な呼吸不全患者の治療にひろく用いられるようになり,人工呼吸の概念を単なる延命手段から一つの有力な治療手段に変える大きな役割を果した2)反面,高圧による合併症も増加しつつある.そこで本稿では,PEEPによる合併症とその対策に主眼をおいてのべる.
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