臨床實驗
人胎兒網膜の發生に就て—特に眼胚後極部の發生(1)
市川 達
1
1日本醫科大學眼科學教室
pp.38-45
発行日 1954年1月15日
Published Date 1954/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201715
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第1章 緒言
網膜の發生に付いては古くより幾多の研究があるが,人胎兒に關するものは少ない。人眼に於ては新鮮な良好な材料を,特に極めて早期のものを自由に蒐集する事が困難である爲であらう。然しながら既にChievitz1),Seefelder2),Mann3)等は人眼網膜の發生に關して詳細な研究を發表している。恩師中村康教授は昭和24年視器の發生に就て數年に亙り報告せられ網膜の發生過程に就ても其の概略を明かにせられた。
近時網膜の機能に關する研究は盛んであり,その組織化學的研究も多數發表せられている。私は基礎の又基礎とも言うべき發生學的研究も又有意義なりと信じ,本邦人胎兒につき網膜の發生を研究した。
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