臨床實驗
視束症状に對する用語の問題—ひとつの提案
桑島 治三郞
1
1東北大學分院眼科
pp.344-346
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201544
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視束(視神經)の病變を表現するための用語として,例えばその炎性病變には球後視束炎,球内視束炎,視束神經網膜炎 optic neuroretinitis,乳頭炎 papillitisなどがあり,視束の浮腫をあらわすには鬱積(=鬱血)乳頭ないし乳頭浮腫,また,視束の萎縮をあらわすには視束萎縮や乳頭の褪色など,その他いろいろの場合に應じてそれぞれの用語がある。これらの用語は,いうまでもなく夫々その病名に應じた病變を最も適確に表現するために用いられるべきものである。
ところが,實際,これらの用語とその内容との間にはこれを用いる人の見解や時代によつて,甚だしばしば混亂と混同とがあり,おなじ用語を用いてもその内容において著しくちがつたものを指したり,反對に,運つた用語を用いながら同じ内容のものを意味したりしている樣な場合がある。
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