銀海餘滴
眼科健康保險醫必携
中泉
pp.563
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201222
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健保診療の際此病氣には如何なる治療をなすべきかという事は誰しも頭をなやます所である。ややもすれば膿厚診療だと云われ遠慮すれば粗診粗療だと非難され又被保險者から中中なおらない藪醫者だと思われ,あつちをたてればこつちがたたず,こつちをたてればあつちがたたず,誰も頭をなやまし頭痛のたねである。それでこの疾病には如何なる治療をなすべきやと云う事を書いたものは現在一つも參考書がない。現在の醫學通りでは,急性結膜炎に,テラマイ,オレマイを使つてしまうし,又,コーチゾンも使つてしまう。健保は制限診療ではないなどというのは,厚生省一人の事で,醫學上通用する事ではない。耳を覆うて鈴をぬすむの類である。それで現在健保としてゆるさるべき治療方針(醫學上なすべき治療ではない)を集めて眼科治療指針というものを編纂して謄寫版刷にした。所が各方面より大賛成で,地方の方々よりも,是非,送つてくれというのが多いので,今度眼科醫會の,健保のエキスパートを五,六人御願して,表題の樣な本を印刷した。謄寫版では読み難いので部數は少ないが活字印刷した。規則が常に變るのでルーズリーフ式にして規則變更の度に一枚宛簡單に入れかえる事が出來る樣にした。前の規則でやつて後で間違つてしかられる事もあるから規則を常に新鮮にしておきたいという意である。
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