臨床實驗
ストレプトマイシン局所療法の奏效せる眼窩僞腫瘍1例
吉江 フミ
1
,
久保田 惠子
1
1山田赤十字病院
pp.553-554
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201217
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眼瞼皮下或いは眼窩内に結核性僞腫瘍を生ずることは文献上極めて稀であるとされているが,眼窩の深くに發生したものでは眼球突出を主徴としいずれも惡性腫瘍の診斷の下に摘出されて後,組織學的或いは細菌學的に結核である事が證明されて居るが,その原發竈としては眼窩壁,眼窩蜂窩織などと云われているものが多く稀に視神經,脈絡膜に原發したと云う報告例もある。
私は眼窩より發生したと思われる腫瘍で全身的ストレプトマイシン(以下「ストマイ」と略記す)投與を試みても腫瘍漸次増大したので,腫瘍に直接比較的大量のストマイを注射したところ著效を奏した眼窩僞腫瘍1例に遭遇したので報告する。
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