臨床實驗
進行性黄斑部變性症の2例
松山 道郞
1
1京大眼科
pp.817-819
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201023
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緒言
原發性黄斑部變性症に就ては1875年HutchinsonとTayによりChorioiolitis guttataの名の下に最初報告されて以來幾多の報告例があり内容も多岐に亙つているが1920年,C. Behrは從來報告されし本症を一括してHeredodegeneration der Maculaと名づけることを提唱し發病年齡及び經過の模樣は決して本症の主要徴候には非ず,罹患家族の特性に由るものとし,更に本症はすべての年齡に發現し殊に身體發育の變換期に内分泌機能變調と關聯して發現する傾向ありと推論し,本症をその發病の時期によつてKongenitale,infantile,juvenile,Verile,praisenile,senile Formと6型に分類しているが,是に興味ある事實として罹患家族に於ては決して異なりたる病型を出現することはないと述べている。我國に於ては昭和5年栂野氏が本症例をTay—Sachs氏病,Vogt-Spielmyer型家族性黑内障性白痴及びOatman型,Stargardtに分類しているが,Oatman型については,之もStargardt型と同一の遣傳物質によりて起つたもので別個のものではないと結論し,長谷川氏も之に賛意を表し從來の本症に於ける煩雑なる分類を排し,單に黄斑部變性症として總括することを主張している。
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