臨床實驗
近業と視力,屈折度の變動(故井街謙敏授追悼論文)
石郷岡 淸
1
1京大眼科
pp.375-378
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200871
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近業時に調節筋を收縮する反應時間即ち緊張時間は1秒内外であり,又その弛緩時間は0.7秒内外であると言う。故に調節筋の收縮及び弛緩は殆んど瞬間的に行われるものと考えてよく,又平澤によれば300乃至600ルツクスの下では,輕近業を持續しても其の時間は延長しないと言う。從つて照度が適當且一定であり若干の休息時間をおくならば,我々の視力,屈折度は調節によつて影響されす,ほゞ一定しているのが普通である。然し一方初見は電話交換手で勤務により遠點が近ずき近視性の増加する者が1/3あり,その視力低下が凹レンズで回復する者が1/6ありと報告している。然らば近業によつて視力低下し屈折度増加する者もある譯で,私は此が如何なる者であるかを見る爲に色々實驗してみた。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.