症例
アレコリンの縮瞳作用の増強に就て
山地 良一
1
,
荻野 周三
1
1大阪大学眼科
pp.405-406
発行日 1949年9月15日
Published Date 1949/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200446
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ブロム水素酸アレコリンの縮瞳並びに減圧作用に就ては,杉山克己氏(綜眼昭和18年)により発表され,続いて新美,松原両氏(臨床眼科昭和23年)の報告かある.これらの諸氏によれば,アレコリン(以下アと略記す)は單性緑内障,前駆期緑内障,急性炎性緑内障には著明なる縮瞳減圧作用を有するが,急性炎姓緑内障め発作時,慢性炎性緑内障,続発性緑内障には,他の縮瞳藥同樣に無効との事である.
先に著者等はカルバミノイルコリンクロリツド即ちカルピノールの作用か,コカインの如き麻醉藥と共に用うる時に,驚異的に増強される事を報告した(臨床眼科昭和23年).ピロカルピン(以下ビと略記す),ェゼリン(以下エと略記す)等はコカインと共に用ひても,認むべき作用の増強が表はれない.こゝでアレコリンとコカインを同時に用うれば,アのみでは無効であつた前記の諸疾患に,何等かの効果を表はし得ないかとの考への下に,家兎眼及び人眼に就て実驗し,認むべき成績を得たので,茲に報告する.
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