特集 図で早わかり 実戦!眼科薬理
Ⅱ.眼科臨床薬理各論
8.眼科腫瘍性疾患
眼窩部悪性腫瘍の治療方針と後療法の考え方
大島 浩一
1
1独立行政法人国立病院機構岡山医療センター眼科
pp.310-317
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105018
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POINT
◎固形癌に対しては,多くの場合,化学療法のみでは完治を期待できない。一方,悪性リンパ腫,白血病や横紋筋肉腫では,強力な化学療法により完全治癒や著明な腫瘍縮小を期待しうる。
◎眼付属器に初発するMALTリンパ腫は,眼窩悪性リンパ腫の約8割を占める。経過の緩やかなものが多く,他部位に転移する可能性は低い。
◎眼窩びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫は,眼窩悪性リンパ腫の1~2割を占める。悪性度が高く,全身化学療法の対象となる。
◎横紋筋肉腫に対しては,全身化学療法,外科手術,放射線治療の組み合わせが標準的治療として確立されている。胎児型で,治療開始時に遠隔転移がなく,肉眼的に腫瘍摘出が可能であれば,生存率は9割近くになる。
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