特集 オキュラーサーフェス診療アップデート
1.病態理解に役立つ新しい検査法
Topics
角膜バイオメカニクス
神谷 和孝
1
1北里大学医学部眼科学教室
pp.104-107
発行日 2012年10月30日
Published Date 2012/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104436
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はじめに
角膜厚が薄い症例ほど,Goldmann眼圧計による眼圧値は低くなる傾向があり,眼圧を正確に評価するためには角膜生体力学(バイオメカニクス)特性を考慮に入れる必要がある。また,本特性は屈折矯正手術における安全性や予測精度にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。さらに屈折矯正手術後の重篤な合併症の1つとして角膜拡張症(keratectasia)が挙げられるが,角膜生体力学特性が著しく低下することが原因と考えられている。しかしながら,これまでin vivoにおける測定方法が十分に確立されておらず,臨床において本特性の評価はきわめて困難であった。Ocular Response AnalyzerTM(Reichert社)の登場によって,角膜生体力学特性を定量的に評価することが可能となった。
本稿では,この装置によって得られた角膜生体力学特性に関する知見について概説する。
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