書評
基礎から読み解くDPC 第3版―実践的に活用するために
堺 常雄
1
1聖隷浜松病院
pp.1404
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103821
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2003年にDPCが特定機能病院に先行導入されてから8年が過ぎ,大きな変革の時期を迎えている。DPCの変遷に合わせて刊行されてきた本書も第3版となり,その存在意義は版を重ねるごとに大きくなっている。今後の大きな変革を予期させる2010年度改定後に刊行された本書は,サブタイトルもこれまでの『正しい理解と実践のために』から『実践的に活用するために』に変わり,著者の意気込みが感じられる。
病院の運営でいちばん大切なのは診療の質と経営の質であり,2つが相まって初めて健全な医療を提供することが可能である。公的病院が次々と独立法人化し,民間病院も社会医療法人化されるなかでこのような考えはますます重要になってきている。著者はまえがきで「……したがって,それを用いることで臨床面・経営面で各施設を共通の視点から評価することが可能……」と述べているが,まさにDPCが良質な医療を担保するうえでのツールであることを示しているものといえる。
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