特集 新しい時代の白内障手術
Ⅴ.白内障手術のデバイスの進歩
白内障手術機器の進歩―1)アルコン社
永本 敏之
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.256-263
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103440
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過去には独立した灌流吸引装置などもあったが,白内障手術機器の進歩といえば,超音波水晶体乳化吸引装置の進歩といっても過言ではない。超音波水晶体乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)を初めて導入したのはKelman1,2)(1967年)であるが,日本の桑原3,4)もわずかに遅れて(1973年)独自に開発・臨床応用を試みている。日本ではCavitron 8000V(クーパービジョン,1977年)の導入以降に少しずつPEAを行う術者が増え,後房型眼内レンズの進化に加え,手術テクニックとしてCCC(continuous curvilinear capsulorrhexis,GimbelとNeuhann5,6)),核分割法(Gimbel7),Shephered8)),ハイドロダイセクション(Faust9),Kochら10))の開発,粘弾性物質の導入などが影響して,現在ではほとんどの白内障手術がPEAで行われるようになった。
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