特集 網膜硝子体診療update
Ⅳ.注目の疾患
2.病的近視と特発性脈絡膜新生血管
近視眼底と手術療法
伊藤 逸毅
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
pp.282-285
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102502
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はじめに
手術が適応になる近視性眼底疾患の代表的なものとしては黄斑円孔網膜剝離,やや以前では近視性脈絡膜新生血管が挙げられる。近視性脈絡膜新生血管に対する新生血管抜去術は,ベバシズマブ(アバスチン®)や光線力学療法(photodynamic therapy:PDT)などの新しい治療法が普及したため現在ではほとんど行われなくなった。一方で,近年,光干渉断層計(OCT)を用いることにより,強度近視眼の網膜分離や黄斑剝離が容易に発見されるようになり,新しく手術により治療されるようになってきている1~6)。
中心窩分離症は網膜分離により網膜の形態のみならず機能まで障害されており,症例によっては網膜剝離を起こしそこから黄斑円孔網膜剝離に進行することもある。本項では,この中心窩分離症と網膜剝離の手術治療について概説する。
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