コラム 私のこだわり
網膜静脈閉塞症治療について思うこと
高木 均
1
1県立尼崎病院
pp.21
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102450
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私が網膜静脈閉塞症に深くかかわるようになったのは,1996年に米国留学から帰国し京都大学で網膜循環外来を担当するようになってからです。
この頃は,糖尿病黄斑浮腫に硝子体手術が有効であることがLewisらにより報告され,硝子体手術が黄斑浮腫の治療法として脚光を浴びておりました。後部硝子体剝離の起こっている症例で網膜静脈閉塞症においても黄斑浮腫の予後がよいことが報告されており,網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)や網膜中心静脈閉塞症(CRVO)にも,硝子体手術により後部硝子体剝離を起こすことが治療法として盛んに行われるようになりました。また,黄斑光凝固を行った症例では硝子体手術の成績がよくないという報告があり,光凝固はしないほうがよいというコンセンサスができていったように思います。私も光凝固をせずに硝子体手術だけを行って経過をみておりましたが,学会報告で耳にするほど改善例はみられず,硝子体手術の限界を感じるようになりました。
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