やさしい目で きびしい目で 45
達人への道―第1回 ある達人との出会い
亀井 裕子
1
1東京女子医科大学附属第二病院眼科
pp.1457
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101373
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冬のある日,私は横浜のとあるホテルで朝食をとっていた。ベイサイドに建ち,国際会議場に隣接するこのホテルは,同業者の利用が多い。この日もそんなあわただしい日であった。
ゆっくりとモーニングコーヒーを味わっている私の目に,品のよい老紳士が映った。彼は,朝の日差しまぶしい窓際の席にいた。黒服が彼と親しげに話をしている。彼の著書が出版されたので,1冊進呈するというような話をしていた。どうも,彼はこのホテルの,しかもこの席の常連であるらしい。それに気づいたのは,このあとに展開される彼の行動からであった。
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