特集 眼科における最新医工学
V.医療支援技術
総合病院での電子カルテ化と眼科部門システム
東 範行
1
1国立成育医療センター病院眼科
pp.345-353
発行日 2005年10月30日
Published Date 2005/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100233
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はじめに
医療のIT化推進に伴い,電子カルテを導入する病院が増えつつある。ところが,電子カルテは眼科のみの単科病院ないしは診療所で使う分には,独自のデザインをすることができるので問題は少ないが,総合病院の全科共通電子カルテシステム(以下,共通電子カルテ)をそのまま使うことには多くの問題がある。これは,眼科は他科と異なって膨大な種類の自科検査があり,カルテ記載にはスケッチも多いのに対して,通常の共通電子カルテはこれにほとんど対応できないからである。過去に電子カルテを導入した総合病院の眼科では,その対応に非常に苦労しており,日本眼科学会でもIT委員会で電子カルテに対する提言を行っている。
国立成育医療センターでは,設立にあたりペーパーレス共通電子カルテを導入したが,眼科ではこれでは診療に対応しきれないため,独自の部門システムを構築した。このシステムでほぼ紙カルテと同等の診療を行うことができ,診療データを一元管理できるという利点も生まれた。この方式は,その後電子カルテを導入した総合病院で広く採用されるようになっている。
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