増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理
5.内分泌・代謝系
術後耐糖能異常
土田 明彦
1
,
勝又 健次
1
,
粕谷 和彦
1
,
猪俣 圭
1
,
笠原 健大
1
,
西村 絵美
1
Akihiko TSUCHIDA
1
1東京医科大学消化器外科・小児外科分野
pp.300-304
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200063
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最近の知見と重要ポイント
□高齢化と生活習慣の変化で,耐糖能異常または糖尿病患者の外科手術対象症例が増加している.
□糖尿病は,糖のみならず脂質および水分と電解質の異常をきたす疾患であり,術前の血糖管理に加え,栄養状態および水分の十分な管理が必要で,そのうえで術中および術後管理を行うことが肝要である.
□術後血糖は150 mg/dL前後を目標とし,低血糖に注意する.
□腎症,網膜症,神経障害の3大合併症の有無の把握も重要である.
□最近行われているERASの概念に基づく術前の経口炭水化物負荷は,異化を抑制し,術後のインスリンの抵抗性を改善するため,外科的糖尿病を抑制するには有効であり,2型糖尿病患者においては安全に施行可能であると報告されている.
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