症例
70歳女性に発症したChlamydiatrachomatisによるPIDの1例—卵巣癌との鑑別について
竹原 和宏
1
,
谷岡 祥子
1
,
赤木 武文
1
1公立三次中央病院
pp.569-572
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905044
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クラミジア感染症によるPIDで血清CA125値が高値を示し,骨盤内に腫瘤を認めた症例を経験した.
症例は70歳で腹部膨満感,腹痛を主訴として来院した.初診時超音波およびCT検査にて著明な腹水貯留とともに骨盤内ダグラス窩に辺縁不整で内部不均一な手拳大の腫瘤を認めたため悪性卵巣腫瘍を疑った.腫瘍マーカーはCEA,AFP,CA 19-9,STNは基準値以下であったが,血中CA I 25値は1,020 U/mlと上昇していた.感染症の検索でクラミジア抗体陽性であったため抗生剤(LFLX→CAM)の投与を開始したところ腹水は消失し,CAI25値も下降,骨盤内腫瘤も消失した.
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