今月の臨床 エコーガイド下で何ができるか
Overview
エコーガイド下診療の現況と展望
竹内 久彌
1
1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院産婦人科
pp.478-481
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905020
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身体内部の臓器や病変部を描出して診断の用に供しようとするのが画像診断技術である.したがって,その技術はまた,身体内部に刺入された針や迷入した異物などの描出にも利用できる.そこで,この方法を使って,例えば病変部と穿刺針を同時に描出することで,両者の相互位置関係を知ることができ,ひいては穿刺針を正確に目標に到達させること,すなわちガイドが可能となる,このような画像診断技術の応用は,画像検査法の目的のなかでも重要なものの一つに数えられる.
事実,超音波による穿刺針ガイドは1961年にBerlyne1)によって腎生検にAモード法で試みられたのが最初であるとされるが,これなどは当時まだ医療用の超音波診断装置がないときに,工業用の装置を用いて,当初からガイドの方法として利用しようとしたものであったという.その後,1972年ごろからHolmら2)やGoldbergら3)により穿刺専用探触子が開発され,Bモード法を用いての超音波ガイド下穿刺術が腎のほか膵,肝などに対して始められ,1975年以降はリアルタイム画像の得られる電子スキャンの実用化に伴って,その応用の飛躍的な発展と普及が見られるに至った.
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